ビルの規模感で準備対応が異なり、大きく2パターンあります。
・管理員が常駐している大型ビル
・管理員が常駐していない中小規模のビル
の2パターンです。
管理員が常駐している大型ビルの場合
事前申請が必要
事前に何をしたいのか伝えておく必要があります。多くの場合は工事申請書の提出が求められます。光回線の工事をする手順としては、
下見調査日設定→下見調査→回線工事日設定→回線工事、開通
となります。下見の際、EPS(Electric Pipe Space / Shaft)という電気回線がまとまっている部屋に立ち入る必要があります。多くの場合、このEPSの部屋の中にIDF(Intermediate Distribution Frame)と呼ばれる中間配電盤があります。このIDFの位置や状態を確認します。一般的にEPSもIDFも施錠されていて、管理会社が管理しています。EPSはエレベーター横や非常階段横というように共用部分にあることがほとんどです。大きなビルだとひとつのフロアに複数のテナントが入っていることがあると思います。EPSから天井裏や床下に光回線を通していきますので、下見や工事作業中は廊下などの共用部分を作業のため一時的に占拠してしまうことになります。下見や工事の日程が決まったら都度事前に申請をしましょう。事前に申請しておかないと、ビル管理側として「急に言われても困る」ということも起こり得ますので注意が必要です。
光回線工事ってどんな工事?
IDFは必ずしも各階にあるとは限りません。隔階や中間階のみということもあります。光回線が欲しいフロアにIDFがない場合は、IDFがあるフロアから光回線を引き回すことになります。階をまたいで回線を通すという作業をすることになるのですが、通常、EPSは各階同じ場所にあるので、すでに色々な電気系統の回線が上下に通っているはずです。そのすでに上下に走っている線に沿うように光回線を通します。光回線は細い線なのでちょっとした隙間があればすぐ通ってしまうので、穴を改めて開けるような大袈裟な工事はしません。
光回線が必要なフロアまで通ったら、ルーターまたはONUを設置したい場所までどうやって回線を引くかを確認します。天井裏なのか床下なのか、壁やドアはどう乗り越えるか、などを確認します。古いビル以外は床下にも防火壁がしっかりありますが、すでに色々な線が壁を貫通して通っていることがほとんどなので、それに沿うように光回線を通して行きます。
ビル管理会社によってはものすごく工事を気にするケースも
管理会社さんの中には、どのような工事かをものすごく気にされて、「何かとんでもない工事が始まる」と勘違いされるケースもあります。工事図面が製図レベルでほしいとか、穴を塞ぐ工事は誰がやるのか、のような話に発展することがあるので、根気強く説明する必要があります。光回線工事は大袈裟な工事ではないので製図は作りません。簡単な簡易図なら記録として残しますので、それのお渡しするということなら対応可能です。また、ドリルで穴を開けるような工事はやりません。すでに通っている電気系統の線に沿わせるように回線を通していきます。それでも防火壁を塞いでほしいというリクエストがある場合は、パテ(粘土)で塞ぎます。
細かい話ですが、このパテ(粘土)も色々種類があります。ビル指定のパテじゃないとダメという管理会社もあるので確認が必要です。
ちなみにビル指定のパテじゃないとダメという場合は、別途、別業者がパテをするだけの工事をするしかありません。
管理員が常駐していない中小規模のビルの場合
申請は特に不要なケースも多い
EPSやIDFに鍵がかかっていないということがあります。IDFもビルのちょうど中間階に1箇所だけという場合もあります。特段何か言われることはないと思いますが、管理会社に念のために連絡しておきましょう。
他フロアで作業が発生する場合があるので、IDFがあるフロアのテナントさんに工事がある旨と日時だけ伝えておきましょう。そうしておくことで、「工事があるなんて聞いてない」「知らない人がいる」「うるさい」というクレームも発生しにくくなると思います。(そもそも大きな音が出る工事ではありませんが。)
まとめ
大きいビルは管理会社さんの存在がありますので、スムーズに行かない場合があります。
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