実際に起こった配信トラブル事例をご紹介

トラブル概要

某イベントで実際に起こった配信トラブル事例をご紹介します。

イベントの内容としては、企業内表彰式でした。
会場はその主催企業様の本社大会議室。
本社大会議室を配信元として、参加者である社員の皆様は各ご自宅から視聴。本会場には社長さんと司会者以外は裏方スタッフのみといった体制でした。
配信プラットフォームは受賞者用に「Zoomミーティング」、その他参加者用に「Microsoft Teams ライブ イベント」を使用しました。受賞者は受賞コメントをするシーンがあったので、相互コミュニケーションがとれる「Zoomミーティング」を選択しました。その他参加者は一方通行の配信で事が足りるので「Microsoft Teams ライブ イベント」を使用しました。
従業員が多い企業様だったので、視聴者数は約2000人。
表彰対象者だった30名弱以外は全員「Microsoft Teams ライブ イベント」で視聴していました。

前日に設営やリハーサルは行わず、当日朝から設営して15時本番スタートというスケジュールでした。
本番前のリハーサルまでは順調でした。何の問題もなく進んでいましたが、いざイベント本番が始まると開始15分くらいでTeamsライブがダウン。再起動してもすぐにダウンを繰り返す状態に陥ってしまいました。
一時イベントはストップ。急遽社長さんと司会者さんでフリートークを挟むというアドリブを入れましたが、完全な復旧は結局できませんでした。かろうじて音声だけの配信ができたので、音声のみで最後まで進行しました。
約2000人の視聴者が1時間半のイベントが1時間以上はほぼ音声だけだったという結果となってしまいました。

原因と対策

担当者さんが大丈夫と想定していたインターネット回線ですが、よくよく聞くと通常時でも回線速度は70Mbpsしかでていなかったとのこと。ちなみにトラブル発生時の回線速度はほぼゼロでした。
予算的にも社内会議室からなんとか配信したいという意図もあったようです。
配信イベントでは、想像している以上にPCをインターネットにつなぎます。インターネット回線もそれだけ逼迫しますので、余裕をもった設計が必要です。
蛇足ですが、このイベントの主催企業様は、セキュリティを強化している企業様で、そもそもインターネットを接続する際、サーバーにアクセスして認証をしてからじゃないとインターネットにアクセスできないという仕組みになっていました。この場合、どれだけ回線速度に影響が出るかは正確な計測値はありません。また、例え外部から高スペックのPCを持ち込んだとしてもインターネットに接続できません。

想定外のトラブルが起こる可能性があるままでやるか、不安要素はなくしてやるか、それとコストとのバランスかと思います。

対策としては2つ。

・新規で臨時回線インターネットを引く。
・外部会場を利用する。

まずは臨時回線を考えたほうが安上がりだと思います。インターネット回線だけ新設するので、既存の会場環境は活かせます。慣れない場所に移動する必要もないですし、オフィスの備品はすぐに用意できます。
もし臨時回線の新設の社内決済が通らないなら外部会場での実施を考えたほうがいいでしょう。
この事例ではコストの関係上、強行しましたが、結果としてトラブルが発生してしまいました。
外部会場は様々なタイプの会場があるので、選択肢も多いです。近年高速インターネット完備の会場も増えてきたので、トラブルを避けるためには外部会場という選択も検討してみるといいと思います。

まとめ

配信イベントにおいてインターネット回線はとても重要です。
トラブルが起きてからでは対処できることが限られますので、早めの対策が必要です。
この記事を読んで不安になった方は臨時回線の新設をおすすめします。